IT系で働く人材は概して男性が多数を占めている傾向が続いている。ITが隆盛してきた頃に比べると女性比率が増えてきてはいるものの、依然として少数派であることに変わりはない。
女性エンジニアが就職して開発や企画などを行っている現場に出てみると、女性が一人きりであると知ることになりやすい。女性エンジニアを欲している職場こそあるものの、現実的に一人すら確保できずにいることが多いのである。

また、就職して現場で働き始めても数年で離職してしまう女性エンジニアが多いこともこのような状況を生み出している。ライフイベントによって常勤では働き続けるのが難しくなってしまい、常勤以外の働き方を求めるようになりやすいのである。
連日のように残業をしたり、自宅でも仕事をする必要があったりする職場では特にこの傾向が強く、ワークライフバランスを考えて転職している女性エンジニアが多くなっている。

非常勤で働く人もいないわけではないが、むしろ選ばれているのがフリーランスや派遣である。どちらの場合にもライフイベントによって家庭生活が変化したときに柔軟に仕事の量を合わせられるのがメリットであり、一度どちらかの働き方を選ぶとそのまま継続することが多い。
結果として常勤として現場に戻ってくる女性エンジニアは少なく、新たに女性が現場に出てきたときも自分だけが女性ということになってしまいやすいのである。
しかし、このような女性エンジニアのライフスタイルに合わせた働き方があることで、IT業界で女性が活躍する機会は増えてきている。